Garmin Edge 520(J)が壊れた(充電出来ない)場合の修理方法
2016年12月にGarmin Edge 520JをAmazon販売で購入した。 2018年8月まで使用15,000km程度、その内充電しながらの走行14,000km以上。 一般的に「モゲ易い」ものとして知られているマイクロUSBコネクタは、私の環境では北海道ツーリングの最終日に充電出来ない状況になった。
Garmin Edge 520Jはなぜ充電(データ転送)出来なくなるか
以下のケースではマイクロUSBコネクタがモゲているため通電していないことが原因と言える。
背面のマイクロUSBコネクタにUSBケーブルを刺すと、コネクタ部がグラグラ動く
画面表示に問題なく、充電・有線データ転送以外は完全に動作する
私のケースでは、USBコネクタ部分がこのように飛び出すような形になっていた。
何をすれば直るか
基盤にある5本の回路に対し、マイクロUSBコネクタの5本のピンが全て接地していれば充電・データ通信が可能になる。
コネクタのピンと回路は、写真のように接しているのが正常な状態だ。
コネクタは基盤に対して4本の脚がはんだ付けされているが、固定しなくてもピンが回路に接地さえすれば通電する。 そのため「コネクタがグラグラしている」位であれば、ケーブルを刺してうまく角度調整すれば充電ができるだろう。
充電しながら走行するシーンが無いならば、これも一つの回避策になる。
根本的に直すなら、分解してコネクタを基盤に固定するしかない。
メーカー修理か、セルフ修理か
修理は2つの方法があり、
- ガーミンジャパン(いいよねっと)に修理費16,000円(820Jは18,000円、1030は27,000円)支払って正式サポートを受ける
- マイクロUSBコネクタを購入し、自身で分解して修理する(当然サポート対象外になる)
16,000円出して正式サポートを受けて修理するのが大人の対応だと断言する。
あるいは、32,000円程度出して新品を購入するのが良いだろう。個人的にはこの際GARMINを捨ててWAHOO ELEMENT BOLTに移るのも良いと思う。
私は宗教上の理由でいいよねっとのサポートを受けられないため、止む無くセルフ修理の手段を採ったに過ぎない。
セルフ修理に必要な工具とかかる費用
もげたコネクタがそのまま使える場合は工具購入費の1,500円で足りる。
コネクタのピンを折ってしまった場合は電子部品の世界的なサプライヤから取り寄せる必要があり、コネクタ1つ150円、配送費が2,000円掛かってしまうので注意が必要だ。
工具は以下のはんだゴテと、はんだ吸取り線、iPhone等の修理工具セットを準備する。
はんだゴテに吸取り線が付属しているが、私の場合はんだが上手く吸取れず基盤にコネクタの足を刺す穴が再現出来なかった。
また無理にコネクタを取り付けようとしたためピン折れ、部品取り寄せの羽目にあった。最初からフラックス染み込み済の吸取り線を買うべきであった
はんだゴテに付属する吸取り線と合わせて、単品販売されているはんだ吸取り線(フラックス染み込み済のもの)を購入することを強くお勧めする。
基盤へのアクセス方法
Garmin Edge 520は、プラスチック製のガワに対して最深部にバッテリーが両面テープで貼り付けられており、その上に基盤が4つのネジで固定、その上にディスプレイ部が両面テープ留めされている構造になっている。
分解時に気を付けることは、ディスプレイを剥がす際はガワとディスプレイの隙間に細いモノを突っ込んでコジるしかないため、力をかけすぎてディスプレイを曲げないようにすることだけだ。
Android等はディスプレイサイズ部が大きく曲がりやすいが、Garminサイズだとあまり心配しなくても良い。
他ブログでは「接着剤を柔らかくするためにドライヤーで温めた上で作業する」と記載されている場合があるが、殆ど無意味に感じた。
カッターナイフや、工具セットに入っているスチールの薄い板を画面とガワの隙間に入れて少しずつコジってディスプレイ部を浮かせていくしかない。
ミチミチミチと粘着物が剥がれる音がするが、臆せずコジっていこう。
ディスプレイ部が無事剥がれるとこのような状態になる。
基盤を外す
修理工具セットに精密ドライバーが入っているので、先の写真に写っていたネジ4本を外そう。
外すと基盤が浮き、以下のようにバッテリーが現れる
バッテリーを外す
バッテリーは外さなくても作業出来るが、基盤とバッテリーの結線の都合で作業し難いためマイナスドライバー等をバッテリーとガワの隙間に差し込んで少しずつコジって取り出しておいても良い。
なお、バッテリーとガワ自体も最深部で謎の結線(はんだ付け)がされているので、勢い余ってもいでしまわないように注意しよう。
マイクロUSBコネクタの端子部分の状態を確認する
恐らく分解した時点でマイクロUSBコネクタがポロリと落ちるはずだ。
コネクタに5本ピンがきちんと残っていることを確認し、ピンが互いに接触等している場合は慎重に(慎重すぎるほど慎重に)、等間隔に隙間が空くようマイナスドライバー等で調整しよう。
はんだゴテと吸取り線の使い方
はんだ付け自体は、中学校の技術授業でやったことがあると思うので割愛する。
吸取り線は私はやったことが無かったので簡単に説明すると、
1.はんだゴテを十分加熱する
2.吸取り線の未使用部分を、吸取りたいハンダの上に重ねる
3.吸取り線の上から、熱したはんだゴテを押し付ける
これで、はんだが付いた場所から除去することが可能だ。
作業を始める前に、
マイクロUSBコネクタに残っているハンダの除去
基盤に残っているハンダの除去
を行おう。基盤から上手くハンダを除去すると、このようにコネクタの足を差し込む穴が4つ復元出来る
マイクロUSBコネクタをハンダ付けする
マイクロUSBコネクタは小さく、ハンダ付けの際に手持ち出来ない。古いUSBケーブルをコネクタに刺した状態で作業すると比較的楽だと思う。
※正式には別のやり方があるのだと思うけれど
コネクタの4本の足を基盤の穴に入れて、はんだ付けしていこう。その際、5本のピンがしっかりと回路に接触している状態であることを確認しながら作業すると良い。
以上でもげたマイクロUSBコネクタの復元は完了
ディスプレイ部を閉じる
ディスプレイ部は、剥がした際についていたような両面テープを準備して綺麗に貼り付け直すのが理想的と思う。
ここは個人個人好きに復旧させよう。グルーガン等でつけてしまうと、もう一度分解したいときに面倒だと思うので、程ほどの接着力のもので私はつけようと思う。
マイクロUSBコネクタの調達
GARMIN EDGE 520Jで利用されているマイクロUSBコネクタは以下の製品で、出張先の大阪日本橋を駆けずり回った結果「本製品は国内で取り扱われていない」ものと判断した。
同一製品ではなくてもマイクロUSBコネクタなので、他製品が流用できるはずだ。日本橋で3店舗回り、販売されていた全種類購入してきた。
さて、コネクタの注意点で重要な点が1つある。
- 5本のピンは、台形形状の上底(短辺)側に出ているか、下底(長辺)側に出ているか
これは非常に重要で日本橋で販売されていたコネクタはいずれも上底側にピンが出ている。
一方でZX80-B-5Pは下底側に出ているため、「基盤に取り付け出来なくはないが、製品裏側のコネクタ穴から出せない」状態になる。
秋葉原に帰ればもしかすると類似製品が販売されているかもしれないが、ここは諦めて同一製品を海外から取り寄せるのが良いだろう。
電子部品の購入と言えばDigikey。北米に巨大倉庫を抱える販売業者で、注文すると概ね1週間以内程度に届くとのことだ。
私も現在こちらから取り寄せ中。